シェルブールの雨傘

3/19(月)11:00開映
平日の午前中ということもあってか、意外に人が少ない

もはやこの映画について何か語るということは不要なのかもしれない
すべてのセリフが歌になっているという、これまでのミュージカル映画の常識を覆す作品だ

実際に見れば誰もが感じるだろうが、多少戸惑いをおぼえるほど鮮やかな色彩がこの映画の特徴である
冒頭、タイトルバックの色とりどりの雨傘
そして店に飾られた様々な雨傘
ここで注目したいのは、ギイの衣装がそうした鮮やかな背景に溶け合っていることである
批評家のジャン=マルク・ラランヌ氏は、これを「ギイがこの世界に閉じ込められていることを意味する」と語っていた
この映画は所謂バッドエンディング(こんな分類の仕方ですましてしまうのもためらわれるほどの悲壮感が漂っている)だが、やはりギイはこの世界から抜け出せなかったのだ

最大の見せ場はやはりラストシーンであろう
ぜひ自分の目で見ていただきたい
来年はニュープリントでの再上映が行われるらしい
一人でも多くの人に見て欲しいと思える映画である